要点
- 「応募倍率」「受検倍率」「実質倍率」は集計するタイミングが違う、別の数字
- 出願後の取下げ・再提出で応募状況が動くため、応募倍率と受検倍率にはズレが出る
- 倍率が高い年は必ずしも「入りにくい年」とは言い切れない
- 1年分の倍率だけでなく、複数年の流れで見るほうが判断を誤りにくい
3つの倍率の違い
- 応募倍率
- 出願の受付が締め切られた時点での、募集人数に対する出願者数の倍率。都教育委員会が期間中に発表する。
- 受検倍率
- 取下げ・再提出の期間を経て、実際に検査を受ける人数が確定した時点での倍率。応募倍率よりあとに出る。
- 実質倍率
- 検査を受けた人数に対する倍率で、当日の欠席者を含む・含まないなど集計の仕方によって扱いが分かれる数字。合格発表後にしか分からない。
なぜ倍率は出願後に動くのか
都立の一般入試では、応募倍率が発表されたあとに志望を変更できる期間があり、そこで出願の取下げや別の学校への再提出が行われます。倍率が高いと出た学校からは一部の受検生が抜け、倍率が低いと出た学校には新たに出願が集まる、という動きが起こります。そのため、締め切り直後の応募倍率と、検査当日に近い時点での受検倍率は、同じ学校でも違う数字になるのが普通です。
「応募倍率が高い=その学校が難化した」と早合点せず、まずどの時点の数字を見ているかを確認することが、倍率を読むうえでの最初の一歩になります。
倍率が高い年をどう考えるか
倍率は学力検査の難易度や合格ラインを直接示すものではありません。倍率が高い年は受検者の中身(内申や当日の得点力)の分布も変わるため、「倍率が高い=合格しにくい」と単純には言えない場合があります。逆に倍率が低い年でも、受検者全体の学力が高ければ合格ラインが下がらないこともあります。
また倍率は前年の結果を見て出願先を選ぶ受検生の動きによって、年ごとに上下しやすい数字です。ある年に極端に高かった学校が翌年は落ち着く、といった振れも起こります。1年分の数字だけで「この学校は狭き門だ」と決めつけず、そういう変動が起こりうる前提で見るのが安全です。
倍率だけで志望校を判断しないために
倍率は「その学校を何人が希望したか」を示す数字であり、「その学校に自分が合格できるか」を直接示すものではありません。内申や当日点の見込みが志望校の合格の目安から離れている場合、倍率が低くても合格が近づくわけではなく、逆に倍率が高くても実力が十分であれば合格の可能性は変わりません。倍率はあくまで検討材料の一つとして位置づけ、内申・当日点の目安と合わせて見るという姿勢が大切です。
また、倍率が高いというニュースだけを見て志望校を急に変えるのも、慎重に考えたい判断です。倍率の変動は例年ある程度起こるものであり、その学校を志望した理由や、通ってから学びたいことまで含めて、倍率以外の要素とあわせて判断することをおすすめします。
倍率を見るときに確認したいこと
- 今見ている数字が応募倍率・受検倍率・実質倍率のどれかを確認する
- 単年ではなく複数年の推移を見て、極端な年がなかったかを確認する
- 学校ページでは学校ごとの倍率の推移をまとめて確認できる
- 倍率だけで志望校を絞らず、内申や当日点の目安と合わせて検討する
倍率はあくまで出願・受検の状況を示す数字であり、個々の受検生の合否を決めるものではありません。最新の倍率発表や集計方法は年度によって変わることがあるため、志望校については東京都教育委員会の発表を確認してください。
